アフリカの鳥が千葉のペットショップに?「ミナミジサイチョウ」を徹底解説!絶滅危惧種に迫る危機

▼Youtubeでは迫力のある映像とともに、太田ゆかの副音声付きで配信しています!

1. 噂の鳥、ミナミジサイチョウについて

1.1 ミナミジサイチョウとは?その生息地と現状

ミナミジサイチョウは、独特の見た目と生態で知られている鳥です。
大きさは1.3メートルに達し、翼を広げると約180センチにもなります。体全体が黒い羽で覆われていますが、顔の周りには赤い部分があり、これは交尾をする時に膨らませます。若い頃はこの部分が黄色で、年齢による色の変化が見られます。

広大なエリアを生息地とするミナミジサイチョウですが、具体的な生息地や現状についてはまだ知られていない部分も多いです!

ゆか
ミナミジサイチョウの食事は様々で、植物の実やヘビ、昆虫、小動物など多岐にわたります。YouTubeでは、貴重なリスの捕食シーンも公開中!
ゆか
今回は、なぜミナミジサイチョウが千葉のペットショップにいたのか、その背景もふまえてご紹介していきます!

2. ミナミジサイチョウの生態と特徴

2.1 ミナミジサイチョウの生活習慣

ミナミジサイチョウは、1日のうち70%を地上で過ごすとされています。これは他の鳥類と比べても異色の行動で、その生態は非常に興味深いです。

2.2 鳥の社会:ミナミジサイチョウの群れの生活と役割分担

ミナミジサイチョウは、大体10から12羽で1グループとなり生息しています。この群れの中には雄のリーダーと雌がおり、他のメンバーは子育てに協力します。雌が卵を産み、他の仲間たちが食物を運んで子育てに参加します。その社会性は、わたしたち人間のコミュニティを思わせるほどです。

2.3 ミナミジサイチョウの繁殖と子育て:自然の大木を巣とする理由

ミナミジサイチョウは巣を作らず、自然にできた大木の空洞を巣として利用します。大きな木の空洞に草を敷き詰め、そこで卵を産みます。これは大木の空洞が非常に安全だからです。
巣作りを楽する代わりに、ミナミジサイチョウは、安全な巣立ちの場所を確保することに時間とエネルギーを使います。

ミナミジサイチョウが好む大木

2.4 長い成長期間:ミナミジサイチョウの成熟にかかる時間

ミナミジサイチョウの成長は、他の鳥種に比べて非常に時間がかかります。卵を温める期間は約40日間で、その後も約3ヶ月間、雛は親と一緒に過ごします。巣立った後も、雛は数年間親と一緒に過ごします。これらのことから、ミナミジサイチョウの成熟にかかる時間は、なんと「9年」と言われています。

雛にエサを与えるミナミジサイチョウ

3. ミナミジサイチョウの存続に迫る危機とその原因

3.1 IUCNレッドリストで指摘される危機的な状況

ミナミジサイチョウは、IUCNレッドリストで危機的な状況にあると評価されています。
このリストは、絶滅の可能性が高い生物種を示していて、ミナミジサイチョウは過去100年で60%が消失し、現在南アフリカ全体で約1500個体しか存在しないとされています。

3.2 ミナミジサイチョウの個体数減少の主な原因

個体数が減少する理由はいくつかあります。

①生息地の減少

木の伐採や農地の拡大により、どんどん動物が安心して暮らせるエリアが減ってきていて、彼らの生息地が減少しています。

②密漁問題

「ミナミジサイチョウが雨をもたらす」という迷信が原因で、人間に捕獲されることもあります。

③巣となる大きな木の減少

一部の生物種(例えばゾウ)の過剰増加が植生に影響を及ぼし、ミナミジサイチョウの生息環境が破壊されることも問題です。

ゆか
自然はバランスが重要なのです!

4. ミナミジサイチョウを救う活動

4.1 木の保護

ミナミジサイチョウが巣を作れるような大きな木を守っています。
例えば、ゾウが木の皮を食べようとするのを防ぐため、木の周りに針金を巻きつけるなどの活動を行っています。

4.2 人工巣の設置

現在、保護区内で26箇所ミナミジサイチョウの巣が確認されていて、その内の24箇所が人間が人工的に作って設置した巣です。なので人工の巣は、かなり効率的にミナミジサイチョウが利用してくれています。

4.3 二羽目の雛の人工育成

実は、ミナミジサイチョウは卵を「2個」生むのですが、最初に孵った雛しかお世話をしません。2個目の卵は保険で、1羽目が上手く育たなかった場合にお世話を始めます。なので家族は1羽目に集中してお世話をして、2羽目は放置され脱水していくという運命にあるので、この生態を利用して2羽目を人間が救出し、育て、野生に返すという活動も行っています。

5. エキゾチックペット問題:ミナミジサイチョウが千葉にいた理由

5.1 エキゾチックペット問題とは?

エキゾチックペット問題とは、「珍しい」または「外来の動物」を指し、生物多様性を脅かす問題の一つです。今回、ミナミジサイチョウが千葉のペットショップにいた理由もこの問題が関係していきます。

ミナミジサイチョウの他にも、カワウソ、モモンガ、リス、サル、カメ、爬虫類などの種が「珍しい」「可愛い」という理由で日本に連れてこられて、ペットショップで販売されています。

これが、「種の存続・個体群への影響」「動物由来の感染症」「外来種による生態系への影響」を生み出しています。

5.2 ワシントン条約とペット取引:国内法による種の保護

ペットとして取引される動物の中には、ワシントン条約で禁止されている種もいます。
例えワシントン条約で禁止されている生き物でも、国内まで密輸してきてしまえば、国内取引が合法であったり、ペット販売店で販売する際に、その出どころを証明しなくても販売できてしまったりすることで、このような問題が起きているので、国内の取引の規制を強化していくことが、この問題を解決するために重要だと考えています。

ゆか
「可愛いから」「珍しいから」飼いたい、という気持ちはもちろん分かるのですが、ペットを購入される際には、この子はどこから来たのか?など背景を少しでも考えていただけると嬉しいです!

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